近年では、一般の会社員や個人事業主が不動産投資に取り組むケースが増えています。ひと昔前は地主のような土地を持っている方々の資産運用の一形態というのが一般的な認識でした。
さて、会社員の方が不動産投資を始めるにあたってよく気にするのが、「不動産投資を始めたことが会社にバレないか?バレたらマズいのか?」という心配です。確定申告でバレる可能性があったり?バレたら服務規程違反だと責められたり?不安は尽きません。今回はこの点についてお話します。
会社にバレるパターン
不動産投資をしていることが会社にバレてしまうことはあるのでしょうか?よくあるパターンをご紹介します。
同僚に話して広まる
最も一般的なパターンだと思います。言わないようにしていても、つい口を滑らせてしまったりします。特に物件購入直後は興奮していることもあってつい話してしまいます。私の実体験です。笑
絶対に話さないという固い決意があれば、このパターンは避けられるかもしれません。
確定申告してバレる
普通の会社員であれば、給与から「所得税+住民税」が天引きされています。このパターンを特別徴収と呼びます。さて、不動産投資を始めて不動産所得を得るようになると、確定申告をする必要が出てきます。不動産で得た所得を行政に申告するわけです。これが原因で会社にバレることになります。
物凄く簡単な例を挙げます。給与所得400万円と不動産所得100万円を得ているAさんがいたとしましょう。会社はAさんに不動産所得があるのを知りません(総所得400万円だと思っている)。しかしAさんは不動産所得について確定申告していますから、行政はAさんに不動産所得があるのを知っています(総所得500万円だと思っている)。
さて、特別徴収の場合には、行政から会社にAさんの住民税の通知が来ます。Aさんの住民税の額は500万円を基準に計算されており、会社の想定よりも多くなっています。会社からすると、「Aさん会社の給与所得以外に収入あるの?」となり、不動産投資のような副業の存在がバレてしまいます。
このバレ方の対策としては特別徴収を普通徴収にするというものが挙げられます。普通徴収では、住民税を会社からの天引きではなく、自分で納めることになります。ただ、普通徴収に変更する時点で怪しまれる可能性は大いにありますが・・。
ちなみに、不動産所得が赤字の場合には住民税が減額されることになり、それに伴って行政から会社に通知があります。この場合は問答無用で、何かしらやっていることが会社にバレます。
会社にバレるとマズいのか?
会社にバレるか気にされている方の多くは、会社にバレたくないと思っています。なぜバレたくないのかは人それぞれあるかと思いますが、一般的なケースは以下などでしょうか?
- 恥ずかしい
- なんとなく怒られそう
- 怪しまれそう
どのケースも気持ちの問題なので、バレたとしても問題にはならないと思います。ただ、実際にはマズいケースも存在します。
会社の服務規程違反になるケース
多くの会社には服務規程のような規則があります。私の勤めていた会社では、小さなオレンジ色の本にまとめられていました。呼び方は会社によってまちまちかもしれません。
- 服務規程
- 社内規則
- 社員なんとか
これらは会社内のルールブックみたいなものですが、これに違反してしまうケースだと、社内で問題視されてしまう可能性があります。違法行為をしているわけではないですが、会社からは責められるかもしれません。
以下、具体的に服務規程に違反するケースを挙げます。
「副業禁止」のケース
服務規程に「副業禁止」と記載されていれば、そもそも副業が禁止なので不動産投資を始めること自体が問題視されてしまうと思います。ただ、そのような規定があることは少ないと思います。そもそもアパートのような収益不動産を相続してしまったケースや、転勤で自宅をやむを得ず貸家にするケースもありますから、一律に禁止されてしまってはたまったものではありません。
歴史の古い会社では昔の名残で副業禁止の風習(?)があるのかもしれませんが・・世論的には副業推進ムードなので、真正面から副業を禁じるような規定は抹消されていくと思います。たぶん。
「法人の代表になるの禁止」のケース
私の勤めていた会社を例に出させてください。私の勤めていた会社の服務規定には、副業禁止という規定はありませんでしたが、「法人の代表になるの禁止」と記載されていました。当たり前といえば当たり前ですが、不動産投資を通してこれに違反することがあります。
節税や金融機関との関係構築などの観点から、法人を設立して法人で物件を買い進めるということがよくあります。私も法人で物件を所有しています。この場合、当然ながら設立した法人の代表に就任していることになるので、服務規程に違反してしまいます。
※このような事情で、配偶者を代表にして法人を設立する方がいたりします。
ちなみに会社員(平社員)ではなく、会社の取締役(偉い人)の場合には、会社法による縛り(競業避止義務、利益相反取引規制など)が存在します。これを破ればもちろん違法なので法的に罰せられます。余談でした。
まとめ
今回は、不動産投資の会社バレについてお話しました。
口を滑らせたり、確定申告だったり、会社にバレてしまうパターンはいくつかあります。ただ、基本的にはバレても問題にはならないことが多いと思います。バレたらマズいか否かは、会社の「服務規程」をチェックして確認しておきましょう。
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