不動産投資をしてみたいが、どんな物件をどのように購入すればよいのか全くイメージが湧かない・・。私も最初はそうだったので、同じ思いの方が少なからずいらっしゃるかと思います。
そういった方に向けて、私が実際に不動産を購入した例をご紹介しています。今回ご紹介するのは、私が購入した2軒目の物件です。購入経緯を以下の流れでお話しします。
- どこで物件を知り、
- どんなスペックの物件で、
- どのように物件検討し、
- どのように融資付けし、
- 購入に至ったのか
ちなみに購入した年は1軒目と同じく2020年です。1軒目の購入経緯については以下の記事をご覧ください。
どこで物件を知ったか?
1軒目は不動産仲介会社のメール配信で知ったのですが、なんと2軒目も全く同じように不動産会社のメール配信で知りました。不動産会社のメール配信については1軒目の記事でご説明しています。
ただ、1軒目のときとは別の不動産会社からのメールでした。やはり色々な不動産会社から情報が入ってくるようにアンテナを張っておくことが大事みたいです。メール配信されるような物件に良い物件なんて無さそうと思われがちですが、思ったより良い物件情報が流れてきます。ダメ元で、このようなメール配信サービスに登録することをお勧めします。
当時は会社員としての業務時間中でしたが、メールで物件のスペックをチラ見して良さそうだと思った瞬間、コッソリ不動産会社に連絡を取った記憶があります。
物件のスペック
以下、物件のスペックをご紹介いたします。購入したのは2020年です。
- 所在地 大分県大分市
- 構造 鉄筋コンクリート造4階建
- 築年 2002年
- 間取り 1K×18戸、2LDK×1戸、店舗×2戸(計21戸)
- 価格 1億1,400万円(→値引き交渉で1億1,000万円に)
- 表面利回り 10.04%(→値引き交渉で10.40%に)
所在地は大分県大分市の外れたところです。心配になるくらい外れです。私の居住地が大分県大分市ですが、物件資料で所在地を確認したときには街から離れすぎていて不安になりました。
ただ築年は新しく、購入当時で築18年でした。4階建のRCマンションで、1階部分に2LDKが1戸と店舗が2戸、2,3,4階に1Kが18戸ありました。利回りはソコソコです。場所が場所なのでもう少し安いと嬉しかったのですが・・。
物件検討
この物件のメリットとデメリットを分析してみましょう。
メリット
この物件のメリットは2点あります。入居率と利回りです。
入居率についてですが、物件の立地こそ街の外れですが、なぜか入居率はほぼ100%でした。1室空きくらいだったと思います。購入時点で入居率が高いと、購入後の収益がしばらくは安定しているので非常に有難いです。
利回りについては当時の大分市内の物件にしては高い方でした。大分市内と言っていいのかよくわからない立地ですが、一応大分市内なので・・。笑
デメリット
デメリットは1点あります。立地です。
立地については、先程から何度も申し上げている通り、大分市内とはいえかなりの僻地に建っていました。田舎に建っている場合のリスクとしては、入居者需要が低いことで入居率が低くなりがちという点にありますが、この物件についてはほぼ満室だったので、実は立地は悪くないとも考えられました。
このような場合、管理している不動産会社が売却を前にして瞬間的に入居付けを積極的に行い、売却後はそれなりの入居率に落ちるということも考えられます。売却時は入居率が高いほど売値が高くできるからです。ただ、今回のケースでは管理会社と売買仲介会社は別の会社だったので、これには当てはまらなさそうでした。
高額な物件のため慎重になって当然ですが、実は全て取り越し苦労で、普通に入居者需要の旺盛な場所に立地しているということも考えられるので、その辺りの見極めが肝になりそうな予感がしました。
メリット・デメリットを踏まえて検討
要約すると、「街外れだから値段がちょっと安い、でも高入居率」という物件です。物件資料を見たときに売買仲介会社に電話をし、物件についてアレコレ聞いてみました。しかしながら売買仲介会社は全国規模の会社の福岡支店で、詳しいことはよくわかりませんでした。ほぼ利回りだけで購入判断する流れです。汗
そこで、メールから数分後には電話口で「1億1,000万円で買います」とかよくわからないことを口走ってしまいました。既に他の購入希望者から買付が入っていれば値引きは難しいですが、タイミング的にまだ誰からも買付は入っていないので、仲介会社の担当者は「売主に確認してみます」と言っていました。交渉がまとまれば買うことになってしまいそうな流れです。
会社から帰宅後、すぐに1億1,000万円で買付証明書を不動産会社に提出したのですが、その際に仲介会社の担当者から「1億1,000万円で交渉まとまりました」と言われました。売りに出してすぐなので、さすがに売主様も交渉に応じないのではと思っていましたが、アッサリOKされてしまいました。理由は色々と考えられましたが、ともかく融資付けがうまくいけば購入することになってしまいました。
融資付け
この物件について融資をお願いした金融機関は、1軒目の時とは別の金融機関です。一般的には一度ご融資いただいてからはしばらく期間を置かなければ再度融資を受けられません。融資する度に、その融資で購入した物件の運営がうまくいくのかしばらく様子を見られるのが普通です。うまくいっていれば、次なる融資の芽が出てきます。
さて、今回ご融資いただく金融機関は、過去に不動産会社の紹介で融資相談をしたことのあった金融機関(A銀行)でした。物件が他で売れてしまって流れたのですが、感触は悪くなかったので、今回再度ご相談した形です。実はその前に色々とトラブルがあったのですが、それは後述します。
結論としては、1億円であれば融資可能という回答でした。1軒目購入直後ということもあり、さすがに自己資金が足りず購入を見送ろうと思いましたが、なんと両親が不足分を貸してくれました。その額なんと1,300万円です。さすがの私もぶったまげました。老後の面倒は責任をもって私がみます。
両親の支援という、あまり再現性の無い手段を使ってしまい恐縮ですが、なんとか融資&自己資金というハードルをクリアしました。
物件購入までの流れ
あとの流れは、1軒目の記事でご紹介した通りです。これらを済ませると物件が手に入ります。
- 売買契約
- 決済
売買契約
先程後述すると記載したトラブルのお話です。実は売買契約については、今回ご融資いただく金融機関とは別の金融機関(B銀行)の応接室で行いました。意味が分かりませんね。
実は1軒目購入後、既に金融機関の開拓を進めており、その中の1行であるB銀行が融資にかなり前向きな態度を示してくださいました。物件購入にあたって、B銀行でご融資いただくこととし、支店や本店で審査を進めてもらいました。融資金額はほぼ物件価格と同等くらいの予定で、なんとか自己資金で賄える計算でした。審査が本店審査に移った段階で、金融機関の担当者から「融資たぶん大丈夫なんで、そろそろ売買契約しましょう!」と言われました。これを真に受けたのが甘かったです。
それからしばらくしてB銀行の応接室で売買契約を済ませ、売主側に手付金300万円を支払いました。手付金というのは、もしも売買契約後に自己都合で契約を解除したくなった場合に、「〇月〇日までであれば、そのお金を放棄すれば解除できる」というシステム(手付解除)があるのですが、そのために支払う人質みたいなものです。ちなみに「融資が通らなかったら契約解除できる」というシステム(ローン特約)もあります。
既にご想像が付くかと思いますが、その後B銀行から「本店審査ダメでした、すんません」と言われました。ビックリしてしまって記憶が定かではありませんが、確かローン特約の期日が間近に迫っていたような、既に期限を超過していたような・・・とにかく大慌てでした。最悪人質の300万円が売主のものになってしまいますから慌てて当然です。
困っていると、B銀行の担当者が「他の銀行紹介します」などと提案してきます。いやそんなのいいから融資してよ・・、と思ったのは内緒で、藁にもすがる思いで担当者のスーパーカブの後を追い、別の金融機関に向かいました。そして着いたのが、そうです、A銀行です。先述した通り、A銀行の方とは既に面識がありました。最初からこっちに来てればよかったという言葉は飲み込んで消化しました。
A銀行でことのいきさつをお話しすると、そこそこ金額の大きな案件にも関わらず、ものの数日で融資金額の回答までしてくださいました。ただ、融資金額が1億円と少な目だったので自己資金が足りず、諦めかけました。諦め半分で両親に相談してみたところ、先述した通りお金を貸してくれたため、購入できる目途が立ちました。
金融機関の「多分いけます」は、しっかり本店審査が通ったことを確認するか、その旨の書類を出していただけるまで信じない方がよいかと思います。
決済
A銀行の応接室で決済しました。決済には売主様がいっらっしゃたので、物件について色々と伺うことができて楽しかったです。私も不動産を売却する際には、できるだけ決済に立ち会いたいなと思いました。
あと、両親から借りた大金を支払うときにはクズ息子になった気分で複雑でした。あまり経験することのない感覚だったのでよく覚えています。借りたお金は色を付けてお返しする予定です。皆様はこのようなことが無いよう、くれぐれもご注意ください・・。
購入費用(支払い総額)
この物件の購入に関して支払った金額は以下の通りです。
- 物件代金 1億1,000万円
- 固都税日割精算 19万円
- 仲介手数料 345万円
- 登録免許税 148万円
- 司法書士手数料 15万円
- 銀行融資手数料 10万円
- 印紙代 6万円
→総計 1億1,543万円
支払い総額は、物件価格1億1,000+諸費用543万円でした。後日納付書が届いた不動産取得税の金額は158万円だったので、諸費用総額は701万円でした。物件価格の7%より少しだけ低い金額でした。田舎で土地の固定資産税評価額が低いからかもしれません。
資金内訳
支払ったお金の資金源は、以下のようになります。
- 銀行融資 1億円
- 両親借入 1,300万円
- 自己資金 243万円
両親の援助が無ければ購入できませんでした。なんとか購入はできましたが、少し苦い経験となりました・・。
まとめ
私の2軒目の物件を購入するまでの流れをお話してみました。少しでも参考になる点があれば幸いです。個人的にとても教訓になったと感じるのは以下3点です。
- やっぱり不動産仲介会社のメール配信は大事
- 金融機関の「多分いけます」を鵜呑みにしない
- 親との関係性は大切
また、両親からの借入を考慮しなければ初期投資金額は以下の通りです。
- 初期投資 -243万円
両親への返済は、物件売却時にまとめてしようと考えています。
この物件の運営状況については、以下の記事にまとめてあります。是非ご覧ください。
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