今回は新築アパート・中古アパートそれぞれのメリット・デメリットをメインにご説明していきます。新築は手間がかからないが収益性が低く、中古は手収益性が高いが手間がかかります。どちらに関しても、始める前に注意すべき点を理解しておくことが大切です。

不動産投資には他にもいくつか種類があります。詳細はコチラの記事で述べています↓
https://fudousan-labo.com/2023/02/24/syurui

アパート投資の特徴

アパートは賃貸を目的とした建物です。最初から賃料を収入を得ることを主眼に置いていますので、他の不動産投資手法に比べて収益性が高いのが特徴です。

具体的にどういうことかご説明します。例えば戸建であれば、購入した土地に好きな家を一軒建てますが、アパートは違います。土地のキャパ(建蔽率,容積率)が許す範囲で限界ギリギリサイズで建築されています。こうすることで一部屋でも多くの部屋を造り、得られる賃料を増やしているのです。

このように収益性が高いこともあって人気のアパートですが、始める段階で大きな岐路に立ちます。それが、「新築アパート」で始めるか、「中古アパート」で始めるかという点です。それぞれの特徴や注意点を解説していきます。

新築アパート投資

新築アパート投資

新築アパート投資では、土地を持っている人がその土地に建てるパターンと、土地探しから始めるパターンがあります。

新築アパート投資のメリット

以下、新築アパートのメリットを挙げます。たくさんあります。

  • 家賃が高い
  • 入居率が高い
  • トラブルが少ない
  • 修繕費がかからない

家賃が高い

賃貸物件は新築時が最も家賃が高いです。新築プレミアムなどと呼ばれます。アパートが建っている地域で最高値の家賃を設定できるのはかなりの強みです。新築物件の中でも創意工夫さらなる差別化を図れば、地域最高値を夢ではありません。

入居率が高い

新築は人気なので、家賃設定さえ間違えなければ高い入居率を維持できます。特に日本人は諸外国の方々に比べて新築・築浅が好きらしいので、新築人気に拍車がかかっているとかいないとか。

トラブルが少ない

新築は設備が新品なので設備トラブルがほぼ起こりません。築古の物件であれば、いつ設備トラブルが起こって修繕依頼がくるかとドキドキします。また、新築は入居者トラブルも少ないです。というのも、新築は家賃が高いので属性の良い入居者が多く、必然的にクレーマー気質の入居者も減ります。そんなわけで、新築物件は不動産管理会社に大人気です。

修繕費がかからない

新築であれば、向こう10年は大規模修繕(屋上防水、外壁塗装、など)の必要がありません。大きな修繕費の出費が無いのはもちろん、先述した通り設備トラブルも少ないので、小修繕の費用もほとんどかかりません。

新築アパート投資のデメリット

たくさんメリットを挙げましたが、逆にデメリットもあるにはあります。以下に挙げます。

  • 建築業者の倒産リスク
  • 利回りが低い(物件価格が高い

建築業者の倒産リスク

建築業者の倒産リスク

地主の方々は、「大和ハウス、大東建託、東建コーポレーション」のような有名アパートメーカーで建築することが多く、投資家は地場の建築会社で建築することが多い印象です。当然ながら有名アパートメーカーの建築費は高く、それ以外の建築業者の方が安いです。

有名アパートメーカーの場合、倒産リスクはほぼ無いと言って良いでしょう。一方、私と同じように大地主などではない方は、地場の建築業者を探すことになります。つまり業者選定をしなければなりません。見積もりが安いからと半端な業者に工事を任せると、建築中・建築後にトラブルが発生したり、最悪の場合には建築途中で業者が倒産することもあり得ます。

ちなみにちゃんとした業者選びの方法の一つとして、銀行からの紹介があります。アパート建築には多額の費用を要するので、やはり金融機関から融資を受ける必要があります。まず融資をしてくれる銀行を探し、銀行から業者を紹介してもらうということです。銀行はアパート建築費を融資し、アパートの家賃から借金を返済してもらう訳なので、アパートが建たないと貸し倒れてしまいます。そんなわけで、融資する相手にはちゃんとした業者しか基本的に紹介しないのです。ご参考まで。

利回りが低い(物件価格が高い)

利回りというのは不動産の収益性を表す言葉です。例えば年間家賃収入が100万円のアパートで、売値が1,000万円であれば、100万円/1,000万円=10%となり、利回り10%です。利回りが高いほど収益性が高く、利回りが低いほど収益性が低いです。

当たり前ですが新築アパートは中古アパートに比べて高いです。なので必然的に中古アパートよりも利回りが低くなります。新築アパートは安定性抜群ですが、中古アパートよりも収益性は劣ることになります。

特に有名アパートメーカーに建築をお願いする場合は建築費が高いので、やはり地主のように土地代がかからないケースでもない限り、アパート経営としては収支が合いません。土地を持っていない投資家であれば尚更です。土地を持っていない場合は、やはり地場の建築業者で少しでも安く建てたいところです・・。

中古アパート投資

中古アパート投資

既に建っているアパートを購入するパターンです。売主も売却理由も様々です。

中古アパート投資のメリット

以下、中古アパートのメリットを挙げます。

  • 既に入居者がいる
  • 利回りが高い(物件価格が安い)

既に入居者がいる

これの一番の利点は、過去の家賃明細からこれまでの入居率の推移が分かることです。過去の入居率が常に95%以上と高ければ、購入後も入居率は安定しているでしょう。入居率が低かったとしたら、その要因を分析して改善の余地ありと判断すれば、入居率の悪さを値引き交渉の材料にしつつ、物件購入に進める可能性もあります。

また、購入後すぐに家賃が得られるという利点もあります。新築の場合は建築途中から借金の利払いが始まっているにも関わらず、家賃は入ってきません。新築なのでしょうがないですが、やはり心理的なプレッシャーは感じてしまいます。

利回りが高い(物件価格が安い)

中古アパートは新築アパートに比べて安いです。安ければ安いほど、毎月の手残りが増えます。いかに物件を安く買い、いかに安く直し、いかに高く貸すかが中古アパート投資の醍醐味でもあります。

ただ、安いには安いなりの理由があります。あまりにも安い物件は手に負えないような瑕疵(問題点)がつきものです。

中古アパート投資のデメリット

以下、中古アパートのデメリットを挙げます。中古は新築に比べて当然に家賃が安いです。また、入居率は物件毎の個別要因によるところが大きいです。よって、家賃と入居率の悪化はデメリットから省きます。

  • トラブルが多い
  • 修繕費がかかる

トラブルが多い

新築に比べて設備関係のトラブルが圧倒的に多いです。私の経験上ですが、築30年以上のアパートですと、設備関係のトラブル発生率が格段に上昇します。築20年前後までであれば、そこまで発生しない印象です。

入居者によるトラブルも多くなります。私の経験ですが、物件のゴミ捨て場が荒れてネズミに荒らされるようになったことがありました。低家賃が故に問題入居者が入ってしまうと、大変な目に会うことになります・・。

修繕費がかかる

修繕費がかかる

大規模修繕を一度もしていない物件を購入した場合には、数百万円単位(場合によっては1,000万円越え)の修繕工事を実施する必要がでてきます。なんとか工事をしないうちに売却しようと考えていたところで、漏水トラブルなどに見舞われてしまったら、目も当てられません。

中古アパートを購入する際は、過去の修繕履歴をしっかりと確認した方が良いです。過去に全く修繕されていなければ、購入を見送るか値引き交渉をするかなど検討の余地が出てきます。万がいち工事の必要に迫られても対処できるように、業者さん探しと工事資金の捻出方法について考えておく必要があります。

新築と中古、どちらが良いのか?

結局新築と中古のどちらが良いかということですが、これはその人の状況によるとしか言えません。アパート用地を相続したという人であれば新築を検討すべきでしょうし、とにかく利回り重視で物件を選びたいという人であれば中古アパートを購入するべきでしょう。

どちらにもハッキリとしたメリット・デメリットがありますから、比較的容易に選択できると思います。ちなみに私は中古アパート投資から不動産投資をスタートさせました。土地を持っていなかったので、アパートを新築する考えは浮かびませんでした。また、やはり投資である以上は収益性を求めたかったので、中古アパート投資にチャレンジしました。

ご自身の現状を踏まえ、ご一考いただければと思います。

まとめ

アパート投資は新築アパート投資と中古アパート投資に大別され、それぞれにメリット・デメリットがたくさんあります。運営に関してストレスを感じたくないのであれば「新築アパート投資」、多少のリスクを負ってでも収益性を求めるのであれば「中古アパート投資」が適しています。

皆さんはどちらにご興味がおありですか?

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